東京の魅力発信プロジェクトでは、東京の伝統的な食文化である「もんじゃ焼き」にスポットを当てた『TOKYO MONJA MIX ～こんなもんじゃない、東京もんじゃ～』 を展開しています。

そのプロジェクトの一環として、10月17日（金）に東京・原宿のWeWork アイスバーグ1階にて、生活史研究家やもんじゃ焼き店オーナーらがもんじゃ焼きの歴史や可能性を語るトークイベントを開催しました。

東京で生まれ育まれたもんじゃ焼きの文化を「伝統」と「革新」の両面から紐解き、身近でディープな東京の食文化という新たな切り口で東京の魅力を発信しました。

本プロジェクトは、東京にルーツを持つ「もんじゃ焼き」の魅力を国内外に広く発信することを目的に、株式会社朝日新聞社とBuzzFeed Japan株式会社の共同企画として取り組みが始まり、Webサイト・SNS・動画配信・リアルイベントといったメディアミックスプロジェクトとして企画されました。

11月より特設サイトの公開や特別動画の配信など、もんじゃ焼きの魅力に迫る複数のコンテンツを多角的に展開する予定の中、その先駆けとして、国内外でのもんじゃ焼きの認知拡大を目的に、10月17日に東京の情報発信地の一つである原宿でトークショーを開催しました。

本トークショーは3部構成で、異なる観点からもんじゃ焼きの魅力に触れました。

第1部は、「東京が誇るカルチャー『もんじゃ焼き』の歴史」がテーマ。作家・生活史研究家の阿古真理さん、月島もんじゃ焼き「まるた」の取締役・高野樹里さんが登壇し、もんじゃ焼きの歴史を紐解きました。阿古さんは、「もんじゃ焼きは、鉄板の上に水で溶いた小麦粉で文字を書いた、江戸時代の『文字焼き』が発祥」と紹介。高野さんは、明治以降に個人商店がもんじゃ焼き店へと業態を変えた歴史、今でも競合店の垣根を越えた街ぐるみの相互扶助関係にあるという月島のもんじゃ文化に触れ、東京の「Old」な側面が持つ魅力を紹介しました。

第2部では、「変わり続けるもんじゃ焼き最前線！」をテーマに、変わりゆく令和のもんじゃ焼きを紹介。「おそうざいと煎餅もんじゃ さとう」のオーナーシェフ・佐藤幸二さんを迎え、伝統を守りながら姿を変え続けるもんじゃ焼きの未来と可能性が話題となりました。佐藤さんは店の看板メニューとして、最初に薄皮を焼きパリパリとした食感を楽しめる「煎餅もんじゃ」など、従来のもんじゃ焼きとは異なるメニューを多数開発。「コンセプトを決めてから、適した焼き方や食材を選んで完成度を高める」という逆算型のメニュー開発を行っているそうです。もんじゃ焼きの魅力を「店員と対話し焼き方を目の前で実演してもらえるコミュニケーションは、もんじゃ焼きならでは。東京のローカルフードとしてもっと多くの方に知ってほしい」と語る佐藤さん。今後も遊び心のあるメニューを通じて、もんじゃ焼きの魅力を発信したいと話し、もんじゃ焼きが切り開く東京の「New」な側面が持つ可能性に触れました。

第3部では、観客参加型のもんじゃ焼きクイズ大会が開催されました。もんじゃ焼きに関する7問のクイズが出題され、正解数上位10名の観客へ、Tokyo Tokyoオリジナルグッズをプレゼント。「小さなヘラの正式名称はコテ？（正解は『はがし』）」や、まるた・さとう両店の人気メニューの特徴など、観客の皆さんはもんじゃ焼きにまつわるマニアックなクイズを楽しみました。

「もんじゃ焼きは東京で生まれ、大阪のお好み焼きと呼応するように発展を続けてきた食べ物です。ローカルフードの印象が強くありましたが、近年は若者を中心に独自性が注目されるムーブメントが生まれてきています」と話すのは、今回のイベントを主催したBuzzFeed Japan株式会社の安岡晴香さん。

インバウンドからの注目について、「もんじゃ焼きのメッカは月島・町屋・浅草。それぞれが独自の発展を遂げ、同じもんじゃ焼きでありながら地域によって焼き方も異なります。具材にも個性があり、日本人も知らない文化として海外の方からも徐々に注目され始めました。メジャーな日本の観光を楽しんだ方々が次に注目するコンテンツとして楽しんでいただいています」と、ディープな東京の楽しみ方として人気を集めていると語ってくれました。

ご自身ももんじゃ焼きが好きという安岡さんは、今後の展開についてさらなる意欲を見せています。

「伝統的な味を守る店がある一方で、新しい文化を取り入れて発展する余地がある懐の深さがもんじゃ焼きの魅力です。店主さんも皆さん優しく朗らかで、焼いている間に店主や店員とコミュニケーションを取れるのも、もんじゃ焼きの楽しみの一つ。これからも味、地域の色、コミュニケーションが融合するもんじゃ焼きの魅力を発信していきたいですね」

本プロジェクトは公開済みのWeb記事と本イベントのほか、地域ごとの焼き方や特徴的な名店を紹介する動画配信、SNSによる「TOKYO TOKYO MONJA」投票など、計5つの企画を進行中です。

本プロジェクトを通じて、伝統的なローカルフードから世界に届く新たな名物として羽ばたくもんじゃ焼きの魅力と、多様な文化が共生する東京の食についての可能性を発信することが出来ました。