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江戸の知恵 「ちょうどいい」

約250年も続いた江戸時代において、日本は鎖国により独自の文化を形成するとともに、ほぼすべての食料・物資・エネルギーを自給自足で賄う循環型社会、つまりサステナブルな生活をする社会を生み出しました。東京では、江戸時代が終わり100年以上経った今なお、その慣習を目にする場所があります。ここでは、台東区と荒川区、小金井市の三つの街をご紹介します。

TOKYO’S NEW Sustainability image

江戸東京たてもの園 下町中通り

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銭湯:分かち合いの文化

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日暮里繊維街の<br>「もったいない」文化

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銭湯:分かち合いの文化

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台東区 有馬湯

東京都の北東部に位置する台東区は、東京の中でも昔ながらの下町情緒が感じられるとして、観光客にも人気が高い街です。たとえば浅草寺や仲見世通り、そして銭湯もそのうちのひとつです。

台東区は東京23区の中で最も面積の小さい区でありながら、銭湯の数がとても多く、23軒もあります。江戸時代以降、銭湯は一般的となり、町民文化が栄えた台東区の街でさらに発展していきました。建物を解体する際に出た廃材を、お湯を沸かすために必要な大量の薪として使用するなど、自然とサステナブルな行動が生まれていたのです。浴槽の縁までなみなみとお湯が張られ、中に入ると勢いよくお湯が溢れ出ていくという銭湯の光景は、一見「もったいない」と感じるかもしれません。しかしこれもお湯の表面に浮かぶ汚れを排出し、最小限の労力で効率的にお湯をきれいに保つための知恵であり、サステナブルな行動といえるでしょう。現在では木造建築の減少に伴い薪の入手が困難になったため、ガスや電気を使用してお湯を沸かす銭湯が多くなりましたが、溢れ出たお湯もまた新しい水を温める熱として利用するなど、サステナブルな慣習は受け継がれています。

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営業時間前の銭湯

子どものころジュースやアイスを買ってもらったことなど、家族で銭湯に行った楽しい思い出を持つ方々がいらっしゃいます。銭湯は一日の終わりに身体を洗うためだけではなく、疲れを癒し、仲間とコミュニケーションをとる場としても親しまれています。「銭湯は癒しを感じることができるのが一番の魅力です。生い立ちや社会的立場は関係ありません、お互いが裸という着飾ることができないありのままの姿だからこそ、どんな人とでもつながりを持つことができるのです。」と、台東区浴場組合連合会 会長の北島鉱一さんは語ります。

銭湯は、地域経済を活性化させるだけでなく、日本の伝統文化を伝えられるという点でも、サステナブルツーリズムの一端を担っています。外国人観光客にとっては馴染みのない銭湯独自のルールやマナーがあるため、敷居が高く思われてはいないかという質問に、北島さんは「そんなことはありません。外国から来られる方の多くは、事前に日本の文化を調べてくださっているようで、とてもマナーがよく助かっています。」と微笑みます。北島さんの経営する銭湯では、外国人観光客が銭湯を満喫できるよう、簡単な英語の案内板が用意されています。「英語の得意なお客さんが助けてくれることもあります。『同じ釜の飯を食う』という言葉がありますが、ひとつの風呂に入浴することで、人とのつながりや地域との絆が生まれるという体験を楽しんでもらいたいです。」と北島さんは語ります。

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台東区浴場組合連合会 北島鉱一さん

台東区観光課観光担当係長の江畑州恒(くにひさ)さんは、「銭湯は、人とのつながりや地域社会との一体感を大切にする、この先も守っていくべき日本独自の文化です。」と語ります。実際に、台東区では銭湯を後世に残すため、観光客や若者と銭湯をつなぐさまざまな取り組みを行っています。InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアを活用して情報発信するほか、営業時間前の銭湯を撮影できるフォトツアーや、浴場組合連合会と連携し、複数の銭湯を巡るとTシャツやタオルなどの景品がもらえるスタンプラリーを行っています。これらのプロジェクトには、それぞれの銭湯のちょっとした違いを知ってもらい銭湯の良さを改めて感じてもらいたいという想いがあります。

常に変化し続ける東京の街で、台東区の銭湯や下町の風情は、人々に昔ながらの文化を思い出させます。

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